【台湾が日本に統治されていた頃の高校野球の話です。】
※今回も結末近くまでネタバレします。
未見の方は読まないことをオススメします。
とあるフォロワーさんにオススメ頂いた野球映画を鑑賞しました。⚾️
今作は台湾製の映画なんですが、
映画の舞台は日本に統治されていた時代の台湾であるため、劇中のほとんどは日本語です。🇯🇵
たまに台湾語(日本語字幕付き)も出てきます。🇹🇼
監督:マー・ジーシアン
脚本:ウェイ・ダーション
この2人が製作に携わった『セデック・バレ(2部作)』は、このFilmarksでも評価の高さは知っていましたが、自分はまだ観ていません。🙇🏻♂️
とはいえ、今作を観るだけでもかなりの力作であることは容易に予想出来ます。
今作も舞台のスケールはかなりデカいし、製作スタッフの熱意をひしひしと感じました。♨️
上映時間は3時間と長尺ですが、むしろ3時間無いと中途半端な作品になっちゃう気がします。🤔
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【話の主軸は王道の、弱小高校野球部を再建する話です。】
⑴植民地である台湾人が主要メンバーのチームであること🇯🇵🇹🇼
⑵農業高校なので、球児の多くは農家の息子だということ👩🌾
が話に関わってきますが、あくまでも話の主軸は
⑶“弱小野球部を敏腕監督が立て直す“話です。
要は『スクール・ウォーズ』🏉や『ルーキーズ』⚾️みたいな、よくある話だと思います。
ただし、今作の野球部は不良でもなんでもない、元々すごく真面目な生徒の集まりなので、精神的な葛藤はさほどありません。
それでも彼らの成長はしっかり感じるので、観ていてスッキリします。😄
加えて、⑴ 植民地である台湾人が混じったチームであること🇯🇵🇹🇼ですが、
普通、植民地(台湾)🇹🇼の国民って、侵略した側(日本)🇯🇵の国民とそんなに仲良く出来るとは思えないんですが、
基本的には両者がいがみ合うようなシーンがほとんどありません。悪意のある記者が1人登場するくらいです。
その葛藤が少ないのも気持ち良いです。♨️
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【個人的には農林高校っていうのが良かったです。🌾】
そして、⑵ 農業高校なので、球児の多くは農家の息子だということ👩🌾ですが、
個人的には農家さんが苦労していて彼らの立場にも共感出来ます。👍
稲の刈り取り時期って、1人でも多く作業をして早く終わらせたいんです。
晴れた日に稲がしっかり乾燥している時に刈りとっておかないと、その次の日に雨が降りでもしたら米の質がガクッと落ちます。☔️
だから、劇中にあったように田んぼ道で農作業を横目に野球の練習をするのは、農家さんにとっては腹が立つと思いますよ。💢
それから、
台風で田んぼが水浸しになるシーンはよく撮れたと思いましたし、☔️
そのシーンを踏まえて、
のちに用水路をしっかり整備することでどれだけの農家さんが救われるか❓がヒシヒシと伝わります。⛲️
あれは、大沢たかおさんの尽力の賜物です。
序盤にしていた“パパイヤに釘を打つ話“が後の伏線になっているのも、農林高校ならではの教訓です。🥭
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【あくまでも高校球児たちが主役の映画です。】
何よりも良かったのが、
高校球児を演じている俳優さんたちが、誰一人自分の知らない俳優さんで、それがむしろ良かったです。♨️
それにみんな高校球児らしくちゃんと丸刈りで、👩🏾🦲
しかも本当に台湾の俳優さんがカタコトの日本語を話しています。🗣
登場人物の説明台詞の多さは気になりましたが、おそらく脚本:ウェイ・ダーションさんは話の分かりやすさを優先したんだと思います。
ただ、キャストのクレジットには腹が立ちます。💢
嘉義農林高校野球部監督を演じた永瀬正敏さんが主演としてクレジットされているのは別に構いませんが、
大沢たかおさんに至っては殆ど登場しません。
明らかに、客寄せのためのキャスティングです。
彼目当てで今作を観た方は腹が立ったでしょう。😤
あくまでも球児たちが主人公の映画だと思っています。
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【どこまでが“リアル“なのか❓】
現代の高校野球に比べたら、
取りにくそうなグローブや、
バッターがヘルメットを被らないところや、
ロージンバックが無いから黒土を滑り止め代わりにするところや、
何より呉投手の投げ方は、今となってはかなり無理のあるピッチング・フォームです。😅
1931年の高校野球自体が本当にあんな感じだったのかは知りませんが、まだまだ発展途上な頃の日本の野球を今作で忠実に描こうとしたのはすごく伝わりました。⚾️
それに、そんななかでも主人公の嘉義農林高校野球部が劇中でどんどん目に見えて上手くなっていくのは分かります。😄
ところどころボールがCGなのがはっきりと分かるシーンもあるにはあるんですけど、基本的には野球のシーンはそんなに不満はありません。⭕️
ただし、
❶バットを折られたのにフェンス直撃の3塁打を打つことが出来るのか❓
とか、
❷甲子園に来れたのに、初回で自発的にマウンドを降りるようなピッチャーが本当にいたのか❓
とかは、少し疑問に感じました。
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【落合博満監督なら、あんな采配はしません。】
ただ、個人的にはそれら以上に看過できない問題がひとつあって、
血マメが潰れていて、ストライクが入らないピッチャーに続投させるべきか❓否か❓
の局面で、近藤監督がとったあの采配です。
あれは観た人によっては賛否両論あると思います。自分もあれで良かったのかは分かりません。😔
かつて落合博満監督がとった采配は、本人が「投げられない」って言ったからピッチャー交代したそうですから、あれは納得です。
ただ、今作の場合、ピッチャー本人が「投げられる」って言ったからって、本人の意思を尊重するのが正しいこととは限りません。
呉投手にもそれから先の人生がありますから。
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【栄光は君に輝いた、それから先の彼らの人生】
そして今作で描かれたラストは、主人公たち嘉義農林高校野球部にとってはほろ苦い結末なんです。😢
もちろんそれを感じさせないくらいハッピーエンドに描かれていますが、結局、優勝出来なかったわけですから。🥈
ただそれよりも、
今作が1931年の日本統治下の台湾の人達の話であることを考えたら、
これから先、
1937年に日中戦争が起こって太平洋戦争に突き進んでいく、彼らにはつらい人生が待っています。😫
彼らの多くは価値ある人生を全うしたみたいですが、
一部の方は太平洋戦争で戦死したそうなので、😢
余計に、高校野球は彼らの人生の一瞬の輝きのように感じました。✨