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KANO 1931海の向こうの甲子園のunkoのレビュー・感想・評価

KANO 1931海の向こうの甲子園(2014年製作の映画)
3.7
野球無名校が日本人監督近藤兵太郎(永瀬正敏)のスパルタ指導を受け、成長していく物語となっている。
当時、全国中等学校優勝野球大会(現在でいう夏の甲子園)は韓国、中国、台湾のチームも参加しており、今作では台湾の嘉義農林学校が出場する。

台湾制作ではあるが、日本統治下における話なので日本語を普通に喋る。俳優陣は短期間で日本語の台詞を覚えたみたいで拙いが、それも味があって逆に面白い。

3時間ある物語は前半の台湾編と後半の甲子園編の2部に分けられる。個人的には前半のほうが面白い。
烏山頭ダムの開門に伴う水路整理や、野球の資金調達に苦労し泥酔して彷徨い歩くシーンやパパイヤの話なんかは当時の台湾人と日本人の関係性が見えて面白く、親日に描きすぎではないかというところも逆に新鮮。
印象的なシーンばかりで文句なしに面白い。

甲子園に行く後半は、感動の展開に誘導される。
しかし我々日本人にはセンバツが文化として根づいており、それを題材とした2次作品も腐るほど観ているので感動が薄い。
現実のセンバツにおいても数多くの感動を味わっているので、演出を加えてそれらを超えているかとなると個人的には微妙。
(本作も現実の話だから超えるも何もないのだけど笑)

最期に鉄壁の守りの2人(福島又男[山室光太朗]、川原信男[飯田のえる])のその後が結構衝撃で、この時代ならではと感じた。
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