このレビューはネタバレを含みます
2015年につくられた三島有紀子監督作品。頑固なまでにクラシカルな洋服を作る職人肌の女仕立て屋さんと彼女の作る服に魅了されたバイヤーさんの心の通わぬ物語。
中谷美紀さんといえば『MIND CIRCUS』なんですが、この映画、もう最初っから仕立て屋さんってこういうペースで仕事していて暮らせるんかぁ? ってのがあってねぇ、道楽ですか?
そりゃ古き良きものがあるってのはわかるんですよ、特に今の時代。お金じゃない! みたいなね。でもそこに集中していくマニアックなお話じゃないんですよね。バイヤーさん報われねぇ。
だいたいこのバイヤーさんが車のなかで恋人さんらしき人と楽しそうにしていて、それを仕立て屋さんがなにげに目撃していて、後半にまた同じ場面が用意されていて、したらその恋人さん? 車椅子に乗っていて、恋人さんかと思ったら妹さんだったっておい!
なんで車椅子なんだよ! あたしゃこれもある意味障害者利用差別だと思うんですよ。だってそういう効果狙ってるんでしょう? その必要まったくないでしょう? 原作もそうなんですか? 一事が万事すべてこういう香ばしい感じなのよねぇ。
人が気にしない襟の裏でさえきちんと縫うってのがテーマなんじゃ? 雰囲気だけ良さげな感じで中身すっからかんって、それを否定するお話なんじゃないんかい! こりゃひどいですよ。
まぁでもたまにはこういう映画も見ないとね、我が振り直せです。