はぁ、心地いい。。。
テンポ、間、台詞、風景… その全てが心のヒダに染み渡る感じ。
三島有紀子監督は『しあわせのパン』『幼子~』に次いで3作目。
あっ!未レビュー『Red』はダメだった。
ゴリッゴリッと裁ちばさみで裁つ感触の心地良さ、狂いなく繕う職人技。手仕事の丁寧さとそこに宿る気持ちの部分は既製品とは全く違う。
… かと言って自分自身にそんな1点モノの洋服があるかと言うとそうでは無い。けれど流行に流されない定番のお気に入りは長く大切に着続けるタイプ。大量生産大量消費、プチプラの洋服たちのソレとは全く異なる。時代かなぁ…
中谷美紀の凛とした佇まいから漏れ出る知性。発せられる言葉の説得力と深み。一貫して浮ついた感のない落ち着いた演技は全てのシーンで品格すら感じる。まさに適役だった。
片桐はいりの息抜き的シーンが絶妙。天然の母親 余貴美子にもフフッ(お団子のくだりが好き)。中尾ミエ先生の金言もストンと落ちる。
そして三浦貴大の自然な演技はとても好感が持てた。
終盤の展開のちょっとした失速感、ありがち感も、言わんとしてる事はすんなり受け入れられる。
安易なラブストーリー的ハッピーエンドじゃないのも好印象。
だけど、エンディング曲の平井堅、しかもこの曲じゃない気がする。