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繕い裁つ人のtheocatsのレビュー・感想・評価

繕い裁つ人(2015年製作の映画)
2.5
女流監督の憧憬が存分に盛り込まれた作品

ある女性仕立て屋の物語。

玄人筋には特別光る何かを持つ仕立て屋:中谷美紀。一流デパートの服飾担当:三浦貴大がブランド化と取引をかなりしつこく申し出るが、その中谷は頑なに固辞。
固辞されてもなお三浦はストーカーのごとく中谷に付きまとう。
中谷も固辞している割には三浦の付きまといに怒るでもなく、いつしか勝手に店に出入りできる存在になる。(なんでじゃ??)

顧客が持ち込んだ中谷の祖母や中谷が作った服を仕立て直す姿を見続けるうちに三浦の心境にも変化が生じ、中谷が主宰する〝夜会”での出来事でキッパリ中谷の件は断念。心機一転東京へと転勤することに。

中谷の方も顧客の子供や三浦の妹らとの関わりから何かが芽生え、自らの〝仕立て道”に精進・まい進することとなる・・・


女性漫画家の原作を女性監督が撮ったということもあるのだろう、全編柔和でメルヘンチックな雰囲気。ロケ地神戸のハイソな空気感も相まって女性受けは良さそうに思われる。
反面骨っぽさを期待する向きには歯応えなき内容。

三浦がストーカーになる程中谷のデザインセンスと縫製技術が秀でているという説得力が不足していたという不満感も残る。

とはいえ、こういったちょっと浮遊感のある夢見的雰囲気に浸りたい人達には素敵な時間となるに違いない。

2.5の二つ星

1.5倍速で問題感じず

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