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許されざる者のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

許されざる者(2003年製作の映画)
4.7
連城一家直若総長付・守部梓(加藤雅也)は、かつて飢えて彷徨っていた子供の自分を拾い育ててくれた親分・彦九郎(津川雅彦)を実の親以上に慕い、心から忠誠を誓っていた。出席したとある結婚披露宴の式場で、ためらいなく彦九郎を殺した芹田軍司(藤竜也)は、双元会に金で雇われたヒットマンであり、暗い過去ゆえに生き別れとなっていた梓の異父兄であった。目の前でなすすべもなく、命の恩人である彦九郎を守れなかった自分を責め、梓は復讐を決意する。かつての舎弟である水谷真一(北村一輝)を巻き込み、着実に復讐を遂行するに従い、やがて背後に蠢く巨悪の存在が少しずつ明らかとなっていく。
ヤクザVシネマ史上の傑作映画「荒ぶる魂たち」の黄金コンビ三池崇史&武知鎮典&加藤雅也で再びおくる作品は、シンプルな復讐劇と腹違いの兄弟の愛憎劇。
加藤雅也演じる梓の理由は、ただひとつ。「オヤジを殺ったヤツに落とし前をつける」。組織は無駄な抗争を避けて、手打ちにしようとする。とことん筋を通す一匹狼ヤクザに、組織の論理は通じない。梓の兄貴分の美木良介、若頭の根津新八、梓のオヤジ津川雅彦の存在感。飄々とした存在感が渋い藤竜也、ギラギラした北村一輝、白スーツがまぶしい加藤雅也、刹那に生きる男の色気がカッコいい。三池崇史監督作品お得意の手持ちカメラを使った躍動感のあるキレッキレのド派手なガンアクションの数々が、痛快。三池崇史監督のバイオレンスアクション映画の中で、上位に入る完成度のバイオレンスアクション映画。
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