MikiMickle

ミラクル・ニール!のMikiMickleのレビュー・感想・評価

ミラクル・ニール!(2015年製作の映画)
3.5
地球から打ち上げられた友好の気持ちを込めたロケット。それを受け取ったのは銀河系のはるかかなたの高度な技術を持った宇宙人たち。「ブハハハ、こんな低脳な奴等が友好だとさ‼こんな星、消滅~‼」となるが、宇宙の規定により、一回だけ滅亡を免れるチャンスが与えられる。ランダムに選ばれた一人だけに万能の力が与えられ、その力をきちんと使うかどうかによって、その星の運命が決まるのだ。

が、選ばれたのは作家志望のしがない小学校教師ニール。彼に人類の運命が託される‼
右手をふるだけでその願いが叶うという全知全能の力‼それに気づいたニールのする事といったらどうしようもない事ばかり‼ 地球は助かるの?といったコメディ。


まず、この映画のポイントは、テリー・ジョーンズ監督及び宇宙人の声優たちが、イギリスの風刺ブラックコメディの先駆者であり重鎮であるモンティ・パイソンのメンバーだということ。正直なところ、私はテリー・ギリアム監督以外はあまり知らないので、そこは他の作品とは比べることができません。
が、唐突に訪れるどぎついブラック感‼ アホらしいのにシニカルで、クスクスしてしまう風刺‼

そして、ニールを演じるのは大好きな俳優サイモン・ペッグ‼ だらしないどうしようもないボンクラ男を演じさせたらベスト3に入るサイモンさん‼『ショーン・オブ・ザ・デッド』はもちろんだけど、その前に出演していた『SPACED』というドラマのぐうたらっぷりも最高でした。今回もダメダメ男。 毎日遅刻するは、その言い訳も酷い。願いのレベルも低いし(溢したウイスキーをもとに戻すとか、犬のうんちが歩いたりとか)、その力を持て余してアタフタしちゃう。なんとも可愛らしいw

さて、そのニールが恋するのは、同じアパートに住むキャサリン。戦う女のイメージの強いケイト・ベッキンセールが、仕事に上司にアホなストーカーに悩む、恋愛に焦ってる女性を演じます。
ニールはもちろんそのパワーを彼女を振り向かせる為に使おうとするのですが…
その恋の行方がもうひとつの軸になります。

他の人物もかなり個性的です。
彼女にしつこく迫る勘違い自信家アメリカ軍人ストーカーのグラントは最っ高に気持ちが悪く、かなりのアホ…w 彼のしでかす事もくだらなすぎw
ニールのインド系の同僚レイは、そのパワーを知り、好きな女性教師に自分の事を崇拝させようとするのですが…w
彼らを含め、みんなあくが強い。

更に、ニールの願いによって喋れるようになった愛犬デニスの声は、ロビン・ウィリアムズが演じているのです‼‼やはりさすがと言えるそのコメディセンス‼‼ 犬の本当の欲望や、天真爛漫な雰囲気にニヤニヤしてしまいます。可愛いわぁ~♪ビスキッツ‼ビスキッツ‼ビスキッツ‼
これがロビン・ウィリアムズの遺作です…… 彼の姿が映るエンドロールでは、楽しく切なく悲しくなり、そして拍手を贈りたくなります……

そして、笑いポイントは、ニールのその肝心な願い事がどうしようもない事のくせに、その言葉通りに叶ってしまうというもどかしさ‼(笑) テキトーに願いを言っても変な風になってしまい、一筋縄ではいきません。「死んだ人よ、甦れ‼」って言ったらゾンビだらけになったりw
その度にアタフタして言い直してるニールに笑ってしまう(笑) 「確かにそういう言い方したらそうなるよねw」と。
そういった事や台詞の面白さやアホらしさの1時間半の中で、全く飽きさせることもなく、気楽に楽しめました♪
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