りえぞう

神宮希林 わたしの神様のりえぞうのレビュー・感想・評価

神宮希林 わたしの神様(2014年製作の映画)
3.5
女優・樹木希林さんが伊勢神宮と神宮ゆかりの地を訪ねる旅に密着したドキュメンタリー。
ちょうど20年に一度の式年遷宮の年に、70歳にして初めてのご参拝。
8年の歳月をかけて行われる神事に関わる人々との触れ合いから、希林さんの飾らない人柄を感じることができます。
参拝時にピンマイクで拾った希林さんのつぶやきや鼻歌がなんとも可愛らしいし、お願いごとは他の方にお譲りします、感謝だけですと言って手を合わせる姿や、最後の参拝シーンの清々しいこと!
静けき神を感じるような1カットでした。

一番印象に残っているのは実は冒頭。
希林さんがご自宅を自ら紹介するシーン。
モノへの執着がなくなり、モノの冥利を考えるようになったと話され、“最後まで十分に役を果たして終わった”とモノが思えているか…を感じながら使うそう。そんな希林さんのお家は、モダンでセンスが良くて、ひとつひとつのモノを大切にしていることが伝わる、とても素敵な空間でした。
さらには、日々の生活は自分の身を始末していくような感覚でいると話していたのが、心に残っています。

自分の時間を生き切ること、モノを使い切ること、神さまに手を合わせて、今無事に生きている奇跡に感謝すること…

伊勢神宮の美しい映像と、希林さんの人生観や宗教観を垣間見れるドキュメンタリーでした。


メモ
岡野弘彦 「美しく愛(かな)しき日本」(歌集)
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