はなげん

FRANK ーフランクーのはなげんのネタバレレビュー・内容・結末

FRANK ーフランクー(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

思い入れのある作品。

生活面の一切において仮面を取れない不思議なフロントマンのフランク。彼に魅了された仲間たちが集まりバンド活動をしていたところ、主人公がサポートメンバーとして加入する。彼らのライブは話題を呼ぶが、常にトラブル続き。自分には無い才能を持つフランクに彼も魅力されていく。

主人公の介入によりバンドは一度崩壊する。が、彼がバンドへの毒になっていたお陰でフランクは仮面を取り人前に出れる様になる。
主人公は犯した過ちと罪の意識からバンドを後にする。それ以降のフランクたちの活動は知れない。

仮面の無い世界に恐怖を覚えていたフランクが、ありのままの自分で"全てを愛してる"と歌い始める姿が印象的。中身がまさかのね。

どんなところにも"絶対に崩してはいけない空気感"があり、それを崩してしまった時の罪悪感はフラッシュバックするくらい辛い時があるよね。 
 
フランクという唯一無二の奇才。その才能を世間に受け入れて欲しい、認知してほしいという承認欲求。きっとフランクが仮面だったこともあり、顔ありきのシンボルとならない彼に、自身を投影し過ぎてしまったのかもしれない。人の才能に媚びてしまったり頼ってしまったり、自分に無いモノを持つ人に対してこうであって欲しいと価値観を押し付けたり、主人公の気持ちが痛いほど分かる。だからこそ自分は、主人公に自身を投影して観ていた。
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