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四畳半襖の裏張りのbrianのネタバレレビュー・内容・結末

四畳半襖の裏張り(1973年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

【クソガキが見てはいけない映画】





文豪・永井荷風の耽美的小説「四畳半襖の下張」をヒントに映画化した作品。

大正時代に起こったロシア十一月革命、富山の米騒動、万歳事件の様子をセピア色の写真で映し、新聞少年が「号外!」と叫ぶような不穏で混乱した日本。
そんな中を遊び人の男と初見の芸者との情交を中心に置屋の女将が若い芸子に厳しいしきたりを教える、苦悩する太鼓持ちの姿、軍事訓練、お座敷遊びの猥雑さ、ロシア出征前の男の悲しみなどを断片的に描いている。一種の群像劇と言ってもいいだろう。良し悪しに関係なく人間の生き様が映像を通してリアルに伝わってくる。

僕の好きな女優のひとりである宮下順子は着物姿が似合い様々な立場で演じていて好感が持てる。映像から彼女の仄かな匂いを感じさせるような色気が堪らない。
ロマンポルノではお馴染みの江角英明、絵沢萌子、芹明香、山谷初男、丘奈保美らが脇を固めて作品を締めている。

監督は「恋人たちは濡れた」「青春の蹉跌」「黒薔薇昇天」「悶絶!!どんでん返し」など数多くの作品を手がけた名匠・神代辰巳。
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