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快楽学園 禁じられた遊びのshishiraizouのレビュー・感想・評価

快楽学園 禁じられた遊び(1980年製作の映画)
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なんのためのナンセンス、なんのためのアナーキーだろうか。学校の秩序、親子の、家庭の、夫婦の秩序の破壊、モラルの蹂躙。ここにあるモラルは「もはや戦後ではない」以後のモラル、土の匂いのしない、アッパーな破壊がある。しかし全編をおおう、幸子(太田あや子)の苦しげな泣き叫びつづける声。何かの破壊が、若い女性の生命の謳歌でなく、苦痛に結びついているこの映画、観ている間じゅうドンヨリと感じ続ける不快さがある。ストッキング、血まみれのゴルフボール、サイレント風にふざけた字幕、

当時、完成前に荒井晴彦のシナリオを読んだだけで「神代辰巳監督作品」として論じた山根貞男に、荒井が噛みついた。そりゃもっともだと思いもしたが、映画になったものをみると、こんな映画を山根さんが長文で論じてくれたんだからそれはそれで良かったんだ、とも思ってしまう。完成した映画をみたあとでは、そんな熱をもって長々とは語れなかっただろうからと。
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