Morohashi

ディクテーター 身元不明でニューヨークのMorohashiのレビュー・感想・評価

2.5
この映画を見て、腹抱えるほど笑った人もいるんだろうと思うし、理解できる。

でも、共感はできない。笑

ハッキリ言って、私にとっては時間のムダだった。
ポリコレで「やってはいけない」と言われていることを片っ端からやっていく、その姿勢はちょっと窮屈に感じる現代では理解できるけれど、
「で?」っていう感じ。

一方で、音楽やコスチュームがかなり凝っていたという点はとてもよかった。



いろいろ考えてみたけれど、ポリコレに反することをしておきながら、やっぱりプロパガンダめいたものを感じてしまったこと。
独裁制は悪で、民主主義こそが最高のものなんだ、と。

独裁制は民意が反映されにくいことから悪とされているけれど、じゃあ全ての独裁が悪いの?って思う。
どんな組織であっても、最初はある程度民意を度外視しないとうまくいかないんじゃないかと思う。
最初から「さーて、みなさんどうしましょうか?」ってやっていったら、時間がかかるし、すごくバランスの悪いシステムになってしまうだろう。

この映画の中に出てくる独裁者は、部分的にでも気に入らない人間を自分の周りから排除するわけだけど、そんなことやっていったらそりゃいつか自分が命を狙われるのは自明のこと。
世の中の独裁者っていうのは、みんなそんな人ばっかりだったのか?

独裁に大切なのは、支配する側とされる側の信頼関係の問題。
ついていきたいと思えるリーダーであれば、よろこんで従うだろう。(支配されるというよりも)

だから、最後特に人間性を磨くわけでもなく、「独裁ダメ」という思想をチラつかせたのには賛同できない。
Morohashi

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