【人間なんてこんなもの】
戦後間もない時期のイタリアが舞台のモノクロ映画。
写真屋が得体の知れない男と出会い、奇跡を起こす能力を授かるけれど・・・
最初のあたりは当時のイタリアの世相、例えば貧しい人たちの労働問題だとか、アメリカニズムだとか、敵対する家同士の若い男女の恋模様(ロミオとジュリエットのごとく)だとか、色々な要素が出ているけれど、ラストまで見ると、結局人間なんてこんなものという、達観したロッセリーニ監督の視線が感じられる。
これに比べると、若い頃のヴィスコンティはすごくナイーヴだったなと、今さらのように納得してしまった。