ポンコツ娘萌え萌え同盟

殺人カメラのポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

殺人カメラ(1952年製作の映画)
3.4
プリパラ経由でタイトルだけ知ったままだった映画。
舞台となる箱庭作りから始まる奇怪な演出。箱庭の内に映されるのは、身勝手で俗人だらけの人間達、有力者、貧民。
そんな世界に住み、聖人アンドレアを祀る祭日の夜、被写体を撮り直すことで対象者がそのポーズで死ぬ”殺人カメラ”を手にした写真家は、
次第に悪人退治へと乗りだすブラック・コメディ。挙手したまま死んだ警官の棺桶のデザインで苦笑してしまった。
物騒なタイトルと設定だがホラー的な部分は存在せず。俗物的な人間を映すことで、正義が暴走し大罪であるはずの殺人を写真家は肯定していく様は善の価値観の倒錯が本作の肝だと思う。

印象に残った場面と言えば、アメリカ人が家族が来た家の一室で、彼らが座り多くの人と挨拶して出入りしている場面での長回し。ここの場面に現れた写真家は他者と明らか異なった雰囲気、出入りする人々とは対照的に不審な動作をしているのもあってそれがよく映える。
あと遺書を盗んだ悪党が死ぬ場面。葬列の中での死なのに、誰も気がつかないで通り過ぎていくのがどこかシュール。
でもやっぱり目を奪われるのはおっぱいなんですよね。住民たちがの不満をたらいている中で水着?で歩く美人の姿に、この世界の住人同様に釘付けになる。