囚人13号

殺人カメラの囚人13号のレビュー・感想・評価

殺人カメラ(1952年製作の映画)
3.8
どくさいスイッチでありデスノートであり、資本主義の断罪や信仰心で上塗りしてもロッセリーニのアメリカ嫌いが露骨に出てる。

とにかくずっと漂ってる異様さが良くて、パレードの野次馬から突如1人の老人へズームするカメラが怖い。 記録映像に偶然映りこんだとしか思えない撮り方で、まあ演劇的な神の視座と考えば不思議ではないしこいつが全ての元凶なんだけども。

しかしストロンボリ的な記録映像とのモンタージュではなく、ある程度肉付けされたキャラクターが現実の土壌へ紛れ込むことで生じる偏差はネオレアリズモを無防備都市やドイツ零年といった戦争悲劇に停滞させまいという、ジャンル融合的な試みのようにも思える(そもそもロッセリーニ自身、ネオレアリズモ=リアリズム{現代劇}にそこまで固執してなかった説)。
囚人13号

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