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殺人カメラのmidoredのレビュー・感想・評価

殺人カメラ(1952年製作の映画)
3.5
イタリアの海辺の街で聖人祭の夜、老いた浮浪者が写真屋に転がり込む。善人は悪人を殺して善行を積まねばならんと過激なことを主張する爺さんは、そのカメラで悪い奴の写真を写して見ろという。店の主人が言われた通りにしたら悪人が写真そっくりに固まって死んでしまった。おまけに老人は消えている。もしや聖人様だったのか?パニックになりながら善行を積むため奮闘する写真屋さんのドタバタ・ブラックコメディ。

殺人カメラの使用に躊躇も葛藤もないところが新鮮でした。欲の皮が突っ張った権力者が次々に「善行」の対象になるのでスカッとします😂

とは言え人の命を奪う事の是非が気になりましたが、最後に種明かしがされて納得できるようになっています。

ところで、殺人カメラのテストにロバを使う場面があるのですが、生きていたロバが次のカットで本物の死体になっていたのは怖かった。麻酔であって欲しいものです。

嘘の死しかないはずのフィクション世界に本物の死が紛れ込むと物語も何もかも吹っ飛びます。
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