サム・ペキンパー監督の『わらの犬』は史上最高の【寝取られ映画】だと思っています。
暴力の詩人とも謳われる同監督ですが、僕は本作も観たことによってペキンパーは【寝取られの詩人】でもあると確信しました。
寝取られ展開は主人公夫婦に起こるだけでなく、脇役夫婦にも起こり、寝取られ同士の両夫婦が対比されるように描かれるのが本作です。
主人公夫婦はネトラレ展開がありながらも、どん底に堕ちた2人が関係を修復していきます。
(服役中の旦那を出所するために奥さんが権力者に抱かれるというネトラレ)
で、それと対照的なのが脇役のハロルドとその奥さん。
ハロルドはテキサス州の田舎で開業している獣医。若くてイケイケな奥さん(巨乳)はインテリだけど草食動物のようにおとなしいハロルドとの田舎暮らしにすっかり退屈しきっています。
そこにフラリと現われたのが主人公夫婦を追う悪党であるルディ。どう見てもギラギラして精のみなぎった肉食動物のような男です。
負傷していたルディはハロルドを脅して傷の手当をさせ、さらにはイケイケ奥さんを寝取ってしまいます。イケイケ奥さんはルディに銃で脅された結果、ハロルドと自身の身を守るために「寝取られた」のですなぁ。
イケイケ奥さんを人質に、ハロルドに車の運転をさせて主人公夫婦を追跡させるルディ。奥さんは寝取られるし、奥さんの見ている前で完全に言いなりになってしまっているハロルドの心中察するに・・・ですが、彼には更なる地獄展開が訪れます。
なんとイケイケ奥さんがすっかりルディの野性的な魅力にメロメロになってしまう!!
銃を突きつけられて渋々と運転をするハロルドの傍ら、高校生のようにイチャつくルディとイケイケ奥さん!!
そして、椅子に縛られたハロルドが見ている前で、悦んでルディに抱かれるイケイケ奥さん!!
ここまで酷い寝取られ展開はそうお目にかかれません。不本意ながらも寝取られた、という点では同じでも主人公夫婦とはあまりにもギャップが大きいがために、ことの異常性が際立ちます。
また、インテリで草食系の旦那との田舎暮らしに退屈しきっていた若い奥さん(巨乳)が、粗野な男に寝取られるという展開は実は『わらの犬』と全く同じなんですよね。
なので「ペキンパー、またこの話やるん?」という感じですが、その後の展開は全く異なるものであるのは興味深いところ。