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屋根裏の散歩者のShoMのレビュー・感想・評価

屋根裏の散歩者(1992年製作の映画)
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江戸川乱歩原作を実相寺昭雄が厭世感あふれる映像に仕立てる。三上博史の倦怠感あふれる色気、嶋田久作の明智小五郎の異様な透明感が、乱歩×実相寺ワールドをもり立てる。

江戸川乱歩と実相寺昭雄の親和性は高いと思うけど、犯罪に至る高揚感や郷田三郎と明智の対比等はあまり描かれていないので、犯罪映画として考えると少し微妙。

『歌麿』や『悪徳の栄え』でも見られた窃視を全面に出し、二階の屋根裏に広がる世界は実相寺昭雄美学によって甘美に切り取られる。ただ覗かれる世界がどこか類型的というかパロディ的なのは否めない……。
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