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一分間だけのtctctcのネタバレレビュー・内容・結末

一分間だけ(2014年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

小説の方を読みました。

満遍なく犬が散りばめられた犬中心生活ハッピー作品ですって感じじゃなかったのが現実味を帯びていた。犬と暮らすって美談にできる話ばかりじゃない、でも温かかった。

側から見てたら人間ってなんて自分中心だろうと胸が痛くなる。こんな良い子なのに何でそんなに怒鳴り散らすんだろう。何で結果じゃなくて経過を汲んであげないんだろう。何で物なんか投げつけるんだろう。家族しかいない世界で生きているような無力な存在を何で突き放すんだろう。

こんなにも健気で愛おしくて誰よりも愛情を注いで守るべきものなのに。そう思う反面、同じ状況だったら?とも感じる。究極の状態で苛立つ主人公の身勝手な心情自体を否定することはできないなとやっぱり思ってしまう。人間の都合に合わせて生きている犬の気苦労を改めて感じて申し訳なくなった。

読んだ中で印象的だったセリフを1つだけ上げろと言われたら私は、タクシードライバー斉藤さんが眠るリラにかけた言葉。人を愛し、同じように愛されたその子の生涯が詰まってる気がした。

隣の芝生は青いと言うけれど自分以外の人生を知らない愛犬にとって、家族に愛されたその人生こそが全てで幸せなんだと思った。命を扱うのは責任がいることだというのを改めて感じた作品だった
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