YasujiOshiba

ザ・マシーンのYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

ザ・マシーン(2014年製作の映画)
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レンタル落ちDVD。23-24。ガッローネ祭りの一貫。この英国のSF映画が、低予算でも見事な映像なのは、デンマーク生まれの撮影監督ニコライ・ブリューエル(Nicolaj Brüel, born in Copenhagen on 19 August 1965)のおかげ。ブリューエルはこの作品で世界的に知られるようになり、2016年にミラノの家具見本市の宣伝フィルムでマッテオ・ガッローネと仕事をしたのだという。そのときの映像もすばらしい。たとえばこれ。

"Before Design: Classic"
https://www.youtube.com/watch?v=l3FPPJ3e4YI

その後、ガッローネの『ドッグマン』や『ピノッキオ』の撮影監督を務めるのだけど、実はカメラをふるのはガッローネ。ブリューエルはドローンを操ったり、カラーグレーディングで手腕を発揮するのだそうだ。

だからこのSFも色使いがうまい。陰影をうまく利用するモノトーンが基本だけれど、少し青っぽくて人工的。対処的にラストの夜明けのシーンのオレンジ。

SF的には既視感があるのだけれど、中国が台湾を併合した近未来という設定に、AI搭載のアンドロイドを刺客として送り込む計画っていうのが、今っぽいといえば今っぽいけど、それは単なる背景。映画の面白さは、お金をかけないでも十分に効果的な映像と、ド派手ではないけれど、エッジの効いたアンドロイドアクションと、ケイティ・ロッツの見開く目の演技にある。

監督のキャラドッグ・W・ジェームズの『ドント・ノック・トワイス』ものぞいてみたくなったね。でも撮影監督は違う人なんで、ガッローネ祭りが終わってからかな。
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