海の家ビアガーデン

LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標の海の家ビアガーデンのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

ルパン三世の映像作品の中で1番好きな映画。ロマン溢れこの世の全ての「カッコいい」が詰まったハードボイルドサスペンスバトル映画。完全に大人向け。
脚本、演出、作画、音響全てが良い。登場キャラも魅力的で、次元やルパンはもちろんのこと、次元の命を狙う悪役の殺し屋・ヤエル奥崎がとてもカッコよくて今後もっと活躍してほしいと思った。
この映画では次元とヤエルそれぞれのこだわりの描写が作品をより濃密なものにしていると感じた。
次元は早撃ちに不向きであっても銃への愛着とロマンを優先して重い銃を使うというガンマンとして銃に強いこだわりを持っている。この頑固さが人間味溢れてていい。
一方ヤエルは軽い銃を使って確実に殺しの任務を遂行する。次元と違い銃ではなく殺しへのこだわりが強く「事前にターゲットの墓を立てる」「何発でターゲットを仕留めるかをダイスの出目で決める」など殺し屋としての絶対的な自信が窺え、完全に殺しを娯楽として嗜む狂人なキャラが立っていた。
この対比したこだわりがぶつかり、次元は一度ヤエルに敗北するも、再戦ではそれを利用し勝利する展開が最高に熱かった。
ルパンもヤエルの自信を逆手にとって裏をかき敵を欺く活躍がとてもカッコよかった。
セリフの言い回しも渋くてカッコいい。
ルパンがヤエルに対して「お前そのものが銃。持ち主に命令されなければ引き金を引けない道具」と放ち、ヤエルは「そのおかげでターゲットでないお前は生きられる」と淡々と返すここの掛け合いがすごく好き。ここで人間らしさが強い次元との対比をハッキリ感じられるのが良い。
そして次元の「(軽い銃を使うのは)ロマンに欠けるな」というセリフもガンマンとしてのロマンを1番大切にする実直な性格を感じさせてかっこよかった。
そしてエンディングの喫煙シーンも最高にロマンが溢れており、最初から最後まで全体の雰囲気がとても良い作品であった。