頭で考えることを是とすると、身体で感じることを認めることが難しくなる。海は自然の象徴。人も元々は自然であり、元々は身体で感じる存在であったのではと考えさせられる。
感情に従って生きていた池松。それに翻弄されながらも身体で生きようとする市川。次第に社会に適応していく池松は、頭で考えるようになり、二人の関係は逆転する。
こういうテーマを扱う上で、性描写は避けられず、そこでの表現も重要な鍵を握る。個人的には、もっと濃密に描くべきではとも思ったが、レビューを読むと、そこも評価が上がらない要素のようだった。