ドクター

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のドクターのレビュー・感想・評価

4.5
早稲田松竹1日800円dayに二本立て、『博士と彼女のセオリー』と共に観ました。
こっちの方が全然面白かった。
ベネディクト・ガンナーバッチの妙演が光る作品でした。
ナチスドイツと連合国軍との間にこんな暗号解読という余りに桁外れな高次元のやり取りがあったという事実にまず驚かされた。
ナチスドイツによるエニグマの解読という国家機密に関わることになった主人公。
かなり神経質な天才肌で、故に人との衝突が避けられない。
が、1人の暗号解読の天才女性と出会うことにより、人間性を帯びてくる。
彼女、実在してるんだろうが、良かったなぁ。
主人公は、同性愛者で、が故に婚約するにあたっても苦悩するのだが、彼女は広い心で、すべて受け入れ、普通の愛とは違う崇高な愛の形を体現しようと努めた。
結果的に2人は結ばれなかったが、崇高な愛の形を体現できたのだから、それで良かったのではないだろうか?とも思わせてしまう。
彼の功績は、国家機密で、1,500万人もの人を救ったにも関わらず、世に知られることは最近までなかった。
彼は、自ら手掛けた機械を擬人化し、異常なまでの愛情を注ぎ込む。
やっぱり天才と変人は紙一重ということなのだろうか。
彼は、人間味が無かった訳では無いと、私は断言したい。
ただ、一般論ではどうしてもはみ出してしまう明晰すぎる頭脳が災いした。
彼は、彼女を彼なりに精一杯愛していたと思う。
結ばれることは無かったが、崇高な愛の形を体現していた。
彼の功績は、やっと日の目を浴びることになったが、確かにこの事実が、当時公になっていたら、大問題になっていたろうし、致し方無かったのか。
然しながら、彼の功績は数十年後、やっと日の目を浴び、その功績は評価された。
彼の人生は素晴らしいものだったと私は確信する。
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