１８世紀、１９世紀なら懐古的な気分になって様々な国の文化が美しく見えるけど、２０世紀になってもなお変わらず重厚な歴史を感じさせる気品にあふれた雰囲気というのは英国の他にどんな国にもない。
どっから出てくるんだろうなあこの溢れだす気品は。英語のアクセントなのか服装なのか建物とか文化とか身分制度とか積み上げられたいろんなものが複合的にかもしだすのか。もちろん実際の現実はそんな美たるものではなく薄汚くてえげつない部分もたくさんあったけど（映画に出てくる人は身ぎれいすぎる）映画で観ちゃうとああ麗しの英国...って気分になる🇬🇧
人と関係性を改善するためにリンゴ配るのかわいすぎる🍎笑
シャーロックシリーズもいくつか観てるけど、繊細で頭脳明晰、気難しくてことさら扱いにくい人間を演じさせたらこの人の右に出る人はちょっといないわ。
全体的にストーリーが出来過ぎ感は否めない。確かに見ごたえはバッチリある。でもドラマティカルに過ぎていてきれいな起承転結、きっと実話をうまくフィクションに昇華した映画と言えると思う。とにかくベネディクト・カンバーバッチが全てをうまくこなしているんだ。
一人や二人の命の話ではない、今日までの歴史上最も重たく、かつ膨大な命の選択が日々行われていたことを、化学的治療なんてものが現実にあったことを、こんなにも簡単に観てしまっていいものだろうか...🙏そう思ってしまうくらいきれいで、「映画として」よく出来た映画だった。これくらいきれいな映画ならむしろ多くの人に見てもらえるだろう。そのほうがいい、のかもしれない。
とにかく、とにかく、ベネディクト・カンバーバッチが全てをうまくこなしている。それに尽きる。内容が５０年以上政府の機密扱いだったのは当然のことだし、もっと遅くわかることもありえたと思う。良かった、自分が生きている間にわかって。
真正面から取り扱おうとしたら重たすぎてとても映像にはできない。これをたった一人の人間が背負ったのだから...これくらいきれいにまとめてしまうことしかできないだろうなあ。むしろ。
