このレビューはネタバレを含みます
コレすごいわ……
めちゃめちゃ勉強になるし、苦しい。
ベネディクトさんの見た目の変化がわかりづらかったから、戦時中の話なのか終戦後の話なのか判断するのに時間かかった。
衣装がスーツなの、めちゃめちゃ好きだった。小道具もレトロで素敵だった。
アランもジョーンも、めちゃめちゃ"普通"という価値基準に苦しめられてた。息苦しかったやろなあ。
アランは、異質というだけでいじめられて、同性愛者であることを絶対にバラしてはいけなくて。
ジョーンは、女だからとその能力を発揮する機会を奪われそうになったり、結婚を強要されたり。でも、ジョーンの結婚観にはすごく好感持てた！
アランは人の言葉をその言葉通りにしか受け取れないから察することができなくて、それを不思議そうにしてるのが面白かった。この性格の人が数学を愛してるの、なんか理解できる気がする。数学は察する必要ないもんね。
解読チームのメンバー、最初の方はアランの性格を理解できなくて衝突してたけど、最終的にめちゃくちゃいいチームメイトになってて嬉しかった。
ジョンはずっとええ奴やった。お前がスパイなんかい。
解読チームはほんまに立派な人物はっかりやった。
私もあのチームメイトのように、いわゆる"普通"ができない個性的な人とも、誠実に付き合えるようになりたい。コンビニ人間読んでから、こういうこと考えるようになったな〜……。
「時として、誰も想像しないような人物が、想像できない偉業を成し遂げる」という言葉が、アランとジョーンを何度も救ってた。
アランにとっては、"クリストファー"を失うことが何よりも辛いことやったんやな……。
同性愛が違法て……めちゃくちゃやな。
しかもそれが病気やと思われてて、ホルモン治療させられる惨さ。見てるだけで辛かった。そりゃ死にたくもなるよ。生きてる方が辛かったんだね。
キリスト教の影……。
もうこれ以上こんな風に苦しめられる人がいなくなりますように。なんで誰を好きなるかでここまで社会から追い詰められないといけない人が出てくるのか。
日本もいい加減同性婚を認めるべきやと思う。
万国共通権力者あるあるやと思うけど、気に入らん奴排除したがる。
そうやって、私情で優秀な人材を潰してるのが腹立つ。
精一杯解読してる間にも空爆はあるし船は沈められるし食糧は尽きるし人は死ぬ、その対比による歯痒さがすごく感じられた。
解読できても秘密、兄を救えない、神か
せっかくエニグマが解読できたというのに、今度はそれが秘密になるとは。
解読できたことを秘密にすると判断できるアラン、めちゃめちゃ頭いいな。
とはいえ、ただ数学を愛する者に戦争の作戦を練らせてしまう情勢がほんまに嫌だなと思う。自分の知りたいことを、自分のために研究し続けられる世界であってほしい。
しかも、解読できたのに身内を救えないもどかしさ。救えると分かってるのに、救えない。政治的に救ってはいけないという……。戦争では非情にならないとやっていけんかったんやろなあ。
人の生死を決める行為はまさしく神のように思えるけど、彼らは神ではない……。
毎日使ってるパソコンが、アランの功績によるものであるということを知れてよかった。
長い時間を要したけど、あのチームメイトの途方もない功績が日の目をみれて本当に良かったと思う。
来世では幸せに生きてほしいな！
ジョーンがアランに言った、「今朝、消滅したかもしれない街の電車に乗った。死んでいたかもしれない男から切符を買った。あなたが救った人よ。…科学研究の資料を読んだ。あなたがその基礎を築いたのよ。…あなたが普通じゃないから、世界はこんなにも素晴らしい。」というセリフが本当に素晴らしいと思った。
キーラナイトレイまじでずっと美しいな。
マークストロングが拝めたのでよかったです。
アレンリーチさん、めちゃめちゃ好み！！ありがとう、美しい筋肉……。
ベネディクトさんの繊細な演技が素晴らしかった。
この方の作品をもっと見たいと思った。
