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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のcamusonのレビュー・感想・評価

4.0
第二次大戦時に敵国ドイツの暗号情報解読を成し遂げた英国人の
実話に基づく物語。
主人公は学者で、天才肌な変人で、研究第一で友達できないタイプ。
元々チームワークという概念を持たず、孤立気味だったのですが、
実力はあるので、チームのリーダーの座を勝ち取ります。
使えないスタッフを解雇し、優秀な人材を集めることに。
選抜試験のクロスワードパズルを自分よりも早く解いた女性がチームに加わり、
その美人で優秀な女性に触発され、
チームに打ち解ける努力をするようになります。
暗号解読のための機械(コンピュータの原型)を開発し、
難易度の高い暗号をなんとか解読するというのが前半。

暗号解読の喜びも束の間、話が暗転するのが後半。

後半、ナルホドと思わせる展開なのですが、
前半の予定調和的な流れがちょっとイマイチでした。
暗号解読において、劇中ひらめきで解読にいたった手法は、
本来、基本のキだと思うのですが、どうなのでしょう?

あと、二重スパイが発覚するところが、
いまいちピンと来ないというか、
思わず膝を打つような切れ味がないというか。
何で見つかるかなぁという。

また、物語の中にチューリング・テストを組み込んだのが、
いたずらに複雑になってやしないかと。

さらには、天才主人公の現在の人間性に至る説明として、
しばしば学生時代の回想劇が挟まるのですが、
現在の凜々しい人間像(内面・外見共)と乖離しているのが、
違和感が残ります。

以上のような気になるところを除けば、
総じて、地味目な話を地道に密度高くつくり込んでいるなと思いました。
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