難しそうだなと気にはなっていたが観ていなかった。観てよかった。
彼らがやっていることは難しいことだが、それは鑑賞者が理解できなくても全く鑑賞に問題ない。
人間関係の細かな変化や葛藤も丁寧な構成と圧倒的な演技力で描かれる。
彼の作ったマシンに込められた永遠の片思い、聡明なのに女性であるというだけで機会まで奪われそうだったジョーン、せっかく読み解けたのに救えたかも知れなかったのに見殺しにせざるを得なかった愛する家族、天才を殺した差別の悪意。
時代が悪かったといえばそれまでだが、ただエニグマ解析なんて凄い!とはまとめられないやるせなさを感じた。毎日使っているコンピュータ、その礎を築いたチューリングに感謝と敬意を。彼の人生を知る機会を得られてよかった。