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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のayukaのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

これは、天才数学者の話というよりも、愛の話だった。見ればきっとわかる。

チューリングが成し遂げたことに、結果的に何千万人の命を救ったことに、裏でWW2のいくつもの戦いを勝利に導いたことに、50年もの間極秘にされていたことに驚愕した。チューリングがいなかったら、、、チューリングに起きたどんな小さな出来事でも違っていたら、ジョーンがバーで、チューリングにアドバイスしなかったら、ナチスが戦争に勝っていたかもしれない。今の世界はないかもしれない。彼がしたことが、チームのしたことが、国に嘘をついたことが、罪なのかは分からない。少なくとも、少数を犠牲にしたのは確かなんだ。極秘なのもそれ故なんだろうけれど。わたしには正しかったかどうか、というのは判断できない。難しすぎる。

チューリングとクリストファーの、チューリングとジョーンの、そして私たちからチューリングへの愛の物語。「あなたが普通じゃないから世界はこんなにすばらしい」現代を生きる私たちへの、とてもパワフルな言葉だと思います。「普通」じゃなくていじめられてきたチューリングには、この言葉が何よりも安心感を与えてくれたんじゃなかろうか。

チューリングは校長室で泣かなかった。その後のシーンで、一人にしないでと泣き崩れる展開にはやられました。心がいたい。脚本が素晴らしい。
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