オレンジマン

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のオレンジマンのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

僕はこういう才能とか努力が報われる系の話にめっきり弱い汗
質どうこうの問題ではなく感動してしまう.....絶対他の筋なら「くさい」とか「やりすぎ」とかいって切り捨てるセリフでも、いいなぁ〜と思ってしまう(^^;;
キーラ・ナイトレイが最後にかける「なくなっていたかもしれない〜」のセリフとか特に胸が熱くなった。このセリフのために115分あるんだな〜と。

物語の構造もうまい。"天才"の出自と活躍と終焉を同時進行で語ることで、全てを語らずとも観客の頭の中で立体的なアラン・チューリングが生まれる。あとはそれをカンバーバッチに投影すればいいわけで。

ただソ連のスパイの話とかはどうだろう。解読後に突如明らかになる様々な裏事情は面白みがないわけじゃないけど、どうでもいいのではと思ってしまった。
わりと人間の心情の変化を1シーンでやってしまうのがマイナス点で、ヒューなどが心変わりする場面やピーターが背負う悲しみの生じ方と消え方は1点において生じるアクシデントとして扱われているのではないだろうか。そしてキーラナイトレイとの別れのシーンは絶対あの1場面の切り返しカットの顔芸で済ませて良い話ではないと思う。もっとしっかりそこを描けば、娯楽映画の枠から抜け出せたのではないだろうか。

何はともあれアラン・チューリングの人生は色んな意味で魅力的だし、人類史上に名を残すべき天才だということは痛いほど伝わるので、それだけでも伝記映画としては合格点ではないだろうか。
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