takanoひねもすのたり

犯罪「幸運」のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

犯罪「幸運」(2012年製作の映画)
3.1
ドイツ作の純愛映画。

東欧の何処かの田舎に住むイリーナ。
戦車が通るのを目撃し急いで自宅に帰ると両親が惨殺され、待ち構えていた兵士達に彼女はレイプされ絶望した彼女は入水自殺を図るも死にきれず、ベルリンへ密入国。
しかしそんな彼女が出来る仕事といったら体を売るしかなく。

バックグラウンドがすでに辛い。

ある日車に跳ね飛ばされた彼女、病院で診察を進める男に大丈夫だからと言って姿を消す。
病院行けない理由はやっぱり仕事。

黒い犬を連れたホームレスの青年カッレと親しくなるイリーナ。
ある時カッレの相棒犬バイロンが車に轢き殺され酷く落ち込む彼を慰め、そして一大決心、アパートを借り、カッレとの生活をスタート。
もちろん仕事は継続。

ところがある日、イリーナの仕事中、客が心臓発作を起こし腹上死。
彼女は衝撃のあまりふらふらと外へ。
入違いにカッレが帰宅、彼女の姿がなく、見知らぬ男の死体を発見して「何をしたんだイリーナ」と頭を抱え…が、次に彼が行動に出たのは。

カッレみたく無言実行でこんなことやってくれる男はそうはいないだろ……。
ここまでやってくれたら惚れ直すし、一生庇うわ!と思う。
いや単に周りが見えてなくて一途バカなのかも知れませんが 笑

とんずらもせず、イリーナに問い詰うこともせず、彼女のために死体バラして埋めて。

結果的にこの行為はバレるものの、不思議な縁で良かったねぇ…とほっとできる結末が。

ただふたりの恋愛は甘々なもんじゃなくて、孤独なふたりが寄り添うような痛々しく切ないもの。今後のふたりに幸あれ!と思わずにはいられない。

R15なのは死体損壊描写のためで、けっこうしっかりと描写があります。
尺も長めだし切断は壮絶だし、ここまでやるかーと感心してしまった(するな)