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犯罪「幸運」のtheocatsのレビュー・感想・評価

犯罪「幸運」(2012年製作の映画)
3.3
ネタバレ
あれで不起訴とは信じ難い!確かに幸運かも

恐らく東欧か中欧、内戦で家族を皆殺しにされ自身はレイプ。命からがらベルリンに逃れ娼婦となった娘。
片やドイツ生まれだが定職に就けず、小銭物乞いで路上生活をする青年。

二人が出会い娘が稼いだ金で借りた部屋に住まうまでになるが、娘の顧客が売春中に心臓麻痺で死亡。動転した娘は部屋を飛び出す。
帰ってきた青年が死体を見つけ娘が殺したと思い込み、こちらも動転するが「現実的処理」の方法がバラバラにし穴に埋めることだった・・・・


という何とも物悲しいお話なのだが、演出が悲壮ではなく奇妙に平穏調なのでこちらもそれほど気が重くならない。まぁバラバラ場面は多少グロだが。

しかし真昼間に公園に穴を掘って埋めるような間抜け男。階段にも血痕を残していたことから即警察を呼ばれその日のうちにどちらも逮捕。

ところがその後が何とも珍妙な展開。序盤で娼婦の娘が自動車に挽かれた際、運転していたのが弁護士。その弁護士が二人の不起訴を検事に「愛ゆえの間違った処理」と根気強く訴え。なんと不起訴釈放となってしまう。日本じゃそうはいかないよなぁ絶対に・・・

不法滞在だった娘が即男子と結婚して滞在許可を得たかまでは描かれていなかったが、エンドロールの明るい調子からはきっとそうなったのだろう。
「お二人お幸せに!!笑」とでも言うしかないよねこっちも。笑

現ドイツの社会的問題、不法滞在、売春、失業ホームレスなどの問題を深刻味なく描いたユニークな作品。

3.3の三ツ星
002011
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