ーcoyolyー

ビッグ・アイズのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)
3.8
ティム・バートンどうしたんだろう?ダメ男の自己憐憫と自己弁護にあれだけ明け暮れていた人がダメ男をダメ男のまま突き放して女性に嫌な甘え方をせずひとりの人間として才能を認めた撮り方をしている。ティム・バートンに何が起こったのかむしろ心配する。過去が過去すぎてまだ信頼しきることはできないんですけどこういう映画を撮れた心境の変化が気になる。だってティム・バートン今まで散々女性から搾取してきたじゃんか。


内容自体は観ていて終始苦しかった。何故なら私もほぼ現在進行形で男に剽窃され搾取されている女だからです。そして私から剽窃し搾取している男は自分の行為がそれに当たると全く気づいていなくて、お互いに豊かになっていると信じ込んでいるからです。あなたを豊かにしているものは私から毟り取ったものなのに、自分の行為がそれに当たると気づかない家父長制の上に胡座をかける人間の無邪気さに愛想が尽きて今月から距離を取ることにしました。「ほぼ」と付いているのはそういうことです。今月始まったばかりですから相手側はまだ私から距離を取られていることも自分が何をしたかも気づいてないんじゃないですかね。

この映画のクズ男は清々しく才能がないのでまだマシなんですわ。それなりに世間ウケすることを自力で提供できていて、その上で私から毟り取っている行為に気付いてない男の厄介さたるや……

そこにあるものは恋愛関係のないロダンとカミーユみたいなもので、ああこれはカミーユ病むわ……と身をもって実感したので距離を取ることにしました。私の才能は私のもので、あなたを豊かにするために毟られたり踏み躙られていいものではない。

主人公、カトリックの神父のところに告解しに行ってThe家父長制の押し付け的なこと言われて帰されるでしょ、あそこ自分の境遇と重ねてブワってなって気持ち悪くなった。私から搾取している男がカトリック信者でそれなりの地位もあって統一教会2世の元首相銃撃から始まった一連の問題のパネリストとしてTV番組で発言してたりしましたからね。この人らがいくらまじめくさって討論したって本当にそれが必要な人々には何も届かないけどね。自分が何やってるか気づいてないんだもの。そして気づかないまま救わなければならない人から搾取して勝手に豊かになってるんだもの、そちら側だけが勝手に共有してると思い込んでいてその実一方的に私たちの大切なものを消費しているだけだという。「トランプによる分断ガー」とかトランプに表現されて初めて気づくくらいの鈍感さで。そこにはずっと分断があって、他の誰が言ってきてもその属性で見くびって相手にして来なくて、WASP男性のトランプが突きつけたことによってやっと見えたという傲慢さに気づいてない人々が今更カルトと宗教について語ったってねぇ……となりますわ。

才能があるのに自己肯定感が低くてダメ男を渡り歩いた女性が救われるのが宗教(この話の場合はエホバの証人)っていうのが私にはとことん救いのない話に見えて非常にキツかったです。

私が何故か異常に営業という行為が苦手なんですよ。だから才能があったところでそれを表に出すという行為が難しくてあのクズ男の言いなりになってしまう彼女が分かりすぎてしまったんですよ。そういう人間がどうすればいいのか分かるんだろうか?と固唾を飲んで見守っていたところ解決策が宗教。宗教からすら弾き飛ばされている私の居場所は結局見当たらずに今結構ショックを受けたままこれ書いてる。

ダメなんですよ宗教。何がダメって信仰自体は問題ないんだけどそこで集団になった時に生まれる群集心理についていけなくて無理ってなるから。あの陶酔感、どうしても上手くハマれなくて足が遠のいてしまう。私はアスカだから。エヴァの旧劇ラストで「気持ち悪い」と言ってしまう人間だから。あれやっちゃうんだよ私。あれやっちゃうとどこの宗教という話ではなくて宗教というシステム自体と相容れなくなってしまうからどこにも居場所がなくなっちゃう。

私どうすればいいんでしょうね?
ーcoyolyー

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