にょいりん

ビッグ・アイズのにょいりんのレビュー・感想・評価

ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)
4.0
主人公マーガレットの描いた大きな目の子供達(ビッグ・アイズ)を夫ウォルターがさも自分が描いたように売り出し名声を得てゆく。
ウォルターはどうすれば人に好かれるかを心得ておりプレゼン能力が高い男だが、物語が進むにつれてそのエゴが肥大し、マーガレットを支配して行く姿には吐き気を催しそうになる。特に絵が一切描けないウォルターが妻に「オレには傑作がないから、傑作を描いてくれ!」というシーンはあまりにも倒錯し過ぎて鳥肌が立った。

そして終盤、ウォルターの支配から逃れたマーガレットがウォルターに戦いを挑む裁判のシーンはウォルターに反吐が出そうになっていればいる程、ハラハラして、その後爽快な気分になる。
確かに良い作品を世に出す為には誰かがピックアップしなければ行けないが、真摯に作品を作っている作家に陽が当たらず、声が大きな者だけがエゴを肥大させ
るのは不健全だろう。実話ベースというのもこの映画に奥行きを出している。