福福吉吉

砂上の法廷の福福吉吉のレビュー・感想・評価

砂上の法廷(2015年製作の映画)
3.5
リチャード・ラムゼイ弁護士(キアヌ・リーヴス)は父親殺害の容疑者マイケル(マイク)・ラシター(ガブリエル・バッソ)の弁護をすることになったが、リチャードにすら黙秘を続けており、裁判の維持すら困難な状態にあった。容疑者の母のロレッタ(レネー・ゼルウィガー)の懇願を受けて、リチャードはジャネル弁護士(ググ・ンバータ=ロー)とともに無罪を勝ち取るため、策を弄する。

法廷を舞台に会話と回想シーンでほとんど構成されたドラマであり、マイケルの黙秘の理由、事件の真相、裁判の勝敗といった部分に興味を駆られる普通のストーリーだと思います。法廷での会話劇で進行されるため、絵面的な変化に乏しいものの、証人の発言の度にその回想シーンが組み込まれるため、退屈することはないと思います。

弁護士リチャード・ラムゼイは裁判に勝つことのみに徹しており、真相は二の次の利欲的な人物として描かれています。それでもキアヌ・リーヴスが演じるだけでカッコ良さが標準装備されるのはズルいなあと思います。また、リチャードがバイクで移動しているのもカッコ良い。

途中から弁護側に参加するジャネル弁護士はリチャードと対照的なキャラクターになっていて、ジャネルはあくまで真実を大事にしており、その点に青臭さと本来弁護士があるべき姿が描かれていて面白いと思いました。

事件の関係者となる被害者である父親、ロレッタ、マイケルの心情は真相が明らかになるのが終盤であるため、それまでは予想するしかありません。回想シーンで現れるこの三者の行動はどんどん変わっていくため、何が真実なのか分からず、その点が非常に面白いと思いました。

ラストは意外性があって良かったと思います。

なかなか面白い作品でした。

鑑賞日:2023年3月9日
鑑賞方法:CS WOWOWプラス
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