もけ

バベルの学校のもけのレビュー・感想・評価

バベルの学校(2013年製作の映画)
3.6
10代なめてたかも。

様々な国からフランスに移り住んできた11歳から15歳の子どもたちが通う適応クラスでの日常を描いたドキュメンタリー映画。

バックグラウンドも、家庭環境も異なり、なにより10代の若さあふれる年頃なので、クラスメイトや教師にぶつかり合いながらすごしていく様子が映される。

日本でいえば、ジャージを着たおっかない教師に一直線に部活でしごかれている年代なわけだが、荒削りながらも、自分の国や文化、宗教、社会について意見を闘わせる姿を見て、10代をなめていたなと思わされた。
10代でも、世界や社会について真剣に熱く考えることができるのだ。
それは別に、カメラに映っていた子ども達が特別な存在だったからではなく、自由に意見を言い合っていいという場があったからだろうと思う。
果たして、日本の子どもがいる場に、そういう空間があるだろうか?
(もしかしたら、オトナの世界にも、それはないかもしれない。)
日本の10代も、ジャージを着て罰ゲームのランニングをこなすばかりでなく、熱く意見を闘わせる場が必要だ。

そして、そんな子どもたちに真摯に向き合う教師の姿も印象的だった。
縛り付けるのではなく、子どもに責任を持たせ、考えさせる。
面談に来た親の姿も様々で、それにも対応する教師は大変そうだったが、あくまで子どものために提案し助言するという、子どもの自立を軸にしたブレなさを感じた。

ドキュメンタリー映画は、そんなに得意なジャンルではないので点数低めだが、いろいろと考えさせられた。
教職の人や、教職を目指す人に勧めたい。
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