ユッコ

毛皮のヴィーナスのユッコのレビュー・感想・評価

毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)
4.0
登場人物は2人だけ、場所も最初から最後まで劇場内のみというシンプルな構成。
でもふたりが台本を開き、ワンダが台詞を読み始めたら一気に引き込まれてしまった。登場直後の奔放で迷惑な女のイメージからガラッと変わって官能的な支配者に見える、ギャップがすごい。
演技と現実の境目があやふやになっていくにつれて、この映画を観ている自分自身もその境界線の間で迷子になった気分になった。まさに、「もうここがどこだか…」っていう心境。
Mという支配される立場に見せかけて、相手に理想のSを演じさせることで自分の欲望を満たそうとしている男に罰を下す、ということなのかな。途中、トマに女側を演じさせたのはラストのアレを演出する為?自分は全然原作の知識が無いまま観てしまってイマイチどう解釈したらいいか分からない部分もあったし、ちゃんと読んでまた見直したい。
首輪姿のマチュー目当てという不純な動機で観たんだけど、本当に似合い過ぎて。首輪を付けられた瞬間のマチューの期待に満ちた目、最高だったなぁ。
あと、ポランスキー監督とマチューは見た目が似ている・ワンダ役は監督の奥さん、というのを知って、ますます興味深い…
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