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毛皮のヴィーナスのsonozyのレビュー・感想・評価

毛皮のヴィーナス(2013年製作の映画)
5.0
公開年80歳のロマン・ポランスキーによるセザール賞 最優秀監督賞受賞作。
当時47歳の妻エマニュエル・セニエと、マチュー・アマルリックのワンシチュエーション2人芝居。
これは傑作!でした。

ウクライナ出身のオーストリアの小説家マゾッホが、1871年に書いた背徳小説『毛皮を着たヴィーナス』をもとにした戯曲『毛皮のヴィーナス』の映画化。

『毛皮を着たヴィーナス』を舞台化しようとしている脚色/演出家のトマ(マチュー・アマルリック)がオーディションでワンダの適役が見つからず落胆し帰ろうとしていると、雨でびしょ濡れの姿で現れたのは、役名と同じワンダと名乗る女優(エマニュエル・セニエ)。

無名で適役でもなさそうなワンダを拒絶するトマだが、しぶとい押しに負け、読み合わせをすることに。
自身で用意してきた衣装に着替えたワンダを見てトマの態度にも変化が。

傲慢な演出家トマが、主役のセヴェリンとなり、読み合わせを始めると、なんと、彼女はワンダのセリフをほぼ覚えていて、原作も深く理解していたのだ。
舞台の照明の調整から、立ち位置、さらにセヴェリンの演技や脚色の内容にも意見するワンダ。
次第にトマとワンダとの立場が逆転していく。。。

奴隷にして欲しいと懇願するセヴェリンとワンダの契約。
マゾヒズムの歓びに満ちていくセヴェリンと、次第にサディズムの権化と化すワンダ。
オープニングとラストの演出も最高。
エマニュエル・セニエのアクの強いエロスにやられました。笑
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