東映がサンドラ・ジュリアンに続いて、スウェーデンからクリスチーナ・リンドバーグを招聘して制作されたポルノ路線の女博徒もの。
舞台は明治38年。幼少の頃に警視庁の刑事だった父親を目の前で殺されたヒロインが、花札を用いたダイイングメッセージを頼りに仇を見つけ出して討つ!という話。
初っ端からの全裸大立ち回りに度肝を抜かれた!
絵面も凄いが、血しぶきが舞い、腕が飛び、そのブルータルな表現はタランティーノが影響を受けたというのも納得で・・・竹光とはいえ素肌の危険な撮影にハラハラしてしまった。
作品は全体として、明治政財界の汚職と壮士やヤクザの暴力、色道にヒロインの復讐劇と宿命譚が絡み合い、小気味よい活劇が繰り広げられるのだが、後半、突如として謎のシスター軍団(そして謎は謎のママに)が現れるに至って『聖獣学園』的展開に目眩がクラクラとするが、クライマックスの大立ち回りの見事さに持って行かれ・・・なんかイイ映画だったな・・・と納得している自分がいた。
しかし、鈴木則文監督・・・招聘した外国人女優を毎回何一つ生かせていない。
クリスチーナ・リンドバーグの役は、明治で来日した欧州女性なら『舞姫』?みたいな安直な設定だし、彼女の関わるエピソードが全然本筋に絡んでいなくて、むしろいらないのでは?と思ってしまう。
リンドバーグはサンドラ・ジュリアンと違って演技するのに、演出がポンコツで困ってしまう。
日欧女博徒対決なんて、ポーカーやっているのに花札みたいだし、リンドバーグは手札が悪いと汗かくし、良いと「ふうぅ。」とか言うし・・・ポーカーフェイスとは?・・・博打勝負の緊張感0。
用意した衣装のセンスも酷すぎ(涙)。
そういえばクリスティーナの恋人で、ヒロインと仇を共にする革命壮士の青年・・・何一つ本懐を遂げていないのでは?
まぁ、面白かったけどね。