イチロヲ

不良姐御伝 猪の鹿お蝶のイチロヲのレビュー・感想・評価

不良姐御伝 猪の鹿お蝶(1973年製作の映画)
5.0
目前で父を殺害された女博徒(池玲子)が、暴力団と政治家に対する義憤を募らせながら、潜入工作に挑んでいく。凡天太郎が創作したキャラクターを借りている、東映ポルノ路線。後に石井輝男が第2作目を製作しているが、本作とは無関係。

日露戦争後の国内情勢を背景にしながら、「ヤクザに乗り込んだら、政界とつながっていた」系の物語を綴っている作品。ハイカラな雰囲気作りに秀でており、浅草の見世物小屋とパノラマ館を再現しているところが、いちいちツボに入る。

スウェーデンから招聘された女優、クリスチーナ・リンドバーグは女性諜報部員の役柄となっており、反体制運動家の成瀬正孝とカップリングされる。また、他作品ではあまりパッとしない碧川ジュンが、クリスチーナとのレズ・プレイで大ハッスルする。

池玲子のアクション女優としてのスキルが炸裂しており、局部を隠した状態での全裸殺陣はさることながら、クライマックスのカチコミが身震いするほどのカッコよさ。タランティーノを始めとする、海外クリエイターへの影響が窺い知れる。
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