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スウィートホームへ連れてって!の堊のレビュー・感想・評価

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前田米造、桂明夫、是枝裕和、そうそうたるメンバーが『スウィートホーム』に携わっていたが、エンディングの白組によるミニチュア製作現場での下働きに過ぎなかった山崎貴がこのあとの日本を支配していく。『ニューヨーク1997』で街のCGを作っていたカーペンターに言わせれば「よく仕事のできたコーマンの下っ端の若造」に過ぎなかったジェームズ・キャメロンが世界を支配していく様とダブる。このドキュメンタリーを見るとプロデューサーともども現場での伊丹十三組の力を感じる(「このカットは製作総指揮の一言で本編では使われなかったのでここで公開致します」)。黒沢清はまだ二本の作品を撮りあげた32歳の新人監督であり、伊丹もまた52歳の新人プロデューサーだった。のちの騒動おいといて伊丹十三映画は本編よりこの手のドキュメンタリーがとても面白い。なぜか器用に自作イラスト入りで嬉々として解説する伊丹十三を見ているとこれがやりたくて映画を撮っているのではないかと思う。
スチールウール、ポリアルコールのくだりはふつうに参考になる。

以下黒沢清×伊丹十三問題についていくつか参考になりそうなのを貼っておく。

大根仁のページ
「それでもボクはやってない」
http://blog.livedoor.jp/hitoshione/archives/50420375.html
モルモット吉田 「『ぴあ』と〈映画都市=東京〉―伊丹十三と黒沢清について」
https://lp.p.pia.jp/shared/cnt-s/cnt-s-11-02_2_6d627f76-e15f-4215-9e59-0d76380bba74.html
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