菩薩

軽井沢夫人の菩薩のレビュー・感想・評価

軽井沢夫人(1982年製作の映画)
3.2
わざわざ〜夫人って付くくらいだからちゃんと文芸エロスかよ!ってくらいにはねっとりしてる。ブルジョワ社会の爛れ具合がシャブロルばりだが、その大事なパーティでメインディッシュの豚の丸焼きをひっくり返してしまった貧乏学生が上流階級に足を踏み入れていく。夫人は東京で愛人作って好き勝手やってるふんどし絶倫野郎により屋敷に幽閉、その屋敷の中で若さと性欲が爆発し、ブリーフ一丁でいざ尋常に勝負!と待ち構える青年に爆笑する。だが越えられぬふんどしの壁に絶望した彼はよりディープなブルジョワ社会へと潜り込み、その結果が大爆笑の悲劇へと繋がっていく。霊安室で交わす冷たいキス、何かを吹っ切ったかの様にふんどしを突き放す夫人、軽井沢の寒い冬は私に似合うもの…。冒頭の花瓶の様に、夫人の心も凍りつき、そして割れてしまった様だ。
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