このレビューはネタバレを含みます
何とも言えぬ侘しいラスト。でも、味わいも深い。
ホーグ(ジェイソン・ロバーツ)の、裏切られても生き抜いてやるという、やっと見つけた砂漠の水場で何とか生き抜いてやる、という生き方が何とも言えず印象に残る。
そして、新しい時代の象徴である自動車に引かれるとは、何とも言えない。新しい時代の波に乗れずに滅んでいく西部の男の象徴なんだろうか。
ジェイソン・ロバーツがまさにそういう存在にぴったりだった。娼婦ヒルディのステラ・スティーヴンスもインチキ牧師ジョシュアのデビッド・ワーナーもどこか変わった人間として引っかかる。
サム・ペキンパーの壮絶な暴力の「ワイルドバンチ」の翌年なのに、こちらは激しい暴力もスローモーションもなく、全く違う雰囲気で、でも新しい時代に乗れずに滅んでいく存在という所では同じかもしれない(2021.12.5)。