シカク

砂漠の流れ者のシカクのレビュー・感想・評価

砂漠の流れ者(1970年製作の映画)
4.7
サムペキンパーは今作が3作目、方方で言われている通り確かにこの作品が他と異なるのがわかる、「ワイルドバンチ」にある火薬多めの騒がしいペキンパーらしい銃撃戦は皆無。全部見たわけでもないけど、全く別物の趣。

主人公が「神様聞いてるか」と愚痴るところから始まる、滑稽で悲哀と爽快感がないまぜになっている、派手なシーンはないが心に沁みる抒情詩。監督も自作で一番のお気に入りみたいで、自分もドンピシャにハマった。
 
「君も俺も同じ人間だ生き方が違うだけだ」などの滋味深い台詞が陽気な娯楽的雰囲気の中に妙に響いて、主人公たちを好きならずはいられなかった。 

ラストの語りのシーンも胸に響いた、
皆に愛された人間らしい人間のまさにケーブル・ホークのバラード。
最高の良作。
この時代のアメリカ映画無敵。
シカク

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