Donatello

カムバック!のDonatelloのレビュー・感想・評価

カムバック!(2014年製作の映画)
3.8
ストーリーそのものは予想の範疇を超えないものながら、「キレのある踊りで魅せるデブ」という時点でもう既に笑えてくるのに、身体中の汗という汗を撒き散らしながら日々特訓していても全く痩せていかないという所でもう堪えきれません。

鳴り響くラテンサウンド!情熱のダンス!サルサッ!デブッ!

…ま、それはさて置いてこの映画、小ネタがいちいち面白いなと。

まず主人公が働いているのが旋盤加工機械の会社。旋盤つったらアレですよ。分かりやすく言えばロクロみたいに回ってる鉄の塊を削るやつですけども、なぜ広告代理店とかでなくそんな設定なのかと。しかもですよ、図面手描きです。CADでなく。んでマグカップに「アイラブ旋盤」という文字。その斜め上設定必要なのかと思いつつなんだか面白い。

主人公がサルサを辞めるまでずっとパートナーを務めていた妹はなぜかハワイアンぽいバーで働いてる。殆ど仕事してねーじゃねーか。

男友達3人で集まって、どれだけ女っ気がないのかを報告し合う狂おしいまでの哀愁。

ダンス教室で知り合ったゲイっぽいイラン人の意味不明な場の制圧感。

お昼休憩のダンスバトル…の筈なのに最後の方のバックがどう見ても夕日。笑っていいものかどうか。

ニック・フロストと言えばこの人、とも言うべきお方の「そこでか」というカメオが秀逸。

物語はオーソドックスなスタイルの、『Shall we ダンス?』を3回ぐらい殴りつけて叩き壊した感じですが、なかなかどうして面白かったです。
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