ハミングバード

ミッシング・ポイントのハミングバードのレビュー・感想・評価

ミッシング・ポイント(2012年製作の映画)
4.0
 アメリカのIVYリーグを卒業したパキスタンの青年は大手経営コンサルで史上最年少の経営幹部となるが、その時にアメリカニューヨークは9.11テロが起こる。アメリカ映画では非常に珍しいテーマを選んでいる。
・「驕る者が倒れる時、その瞬間に喜びを感じたことはないか?」
・「今、お前が情を持ったのは実際に彼を見たから。お前の評価した1行で何千人の生活を奪う。」
・「父親は詩人か。今の仕事に就いたことを恥じるべきだ」欧米的効率主義の経営学によりアメリカンドリームの成功者となったムスリムの息子が抱える矛盾と対峙した、CIAに雇われた正義感溢れるアメリカのジャーナリストの会話の中の回想シーンで出てくる台詞。この映画の全てではないだろうか。共感するところも多いが、テロや戦争が欧米的効率主義の結果として大儲けをした一握りの人間が存在するという矛盾の答えにはなっていない。この問題は永遠に繋がり続けて答えには行き着かない気がする。観る価値は大きい映画だと思う。
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