鰹よろし

ディープ・コア2010の鰹よろしのレビュー・感想・評価

ディープ・コア2010(2009年製作の映画)
3.7
 地震を採石場の爆破に起因するモノとし、大地を分断するモノ、建造物を破壊するモノ、家族を引き裂くモノとして描き出すことで、人命を容易に奪い得る壮絶な威力を知らしめ、それを以て大地震に備えよとするメッセージを前面に押し出している。

 また場面と場面(場所と場所)の切り替わりの際に、移された舞台の地名と時刻を明示することで意図的な区切りを設けており、“点” から話が展開されていくのだが...、

 電柱と電線、どこかへと通ずる道、その道の上を走り目的地へと向かう牽引トラック、そして意図せず断続的な描写になってしまっているパイプライン、地下で繋がっているガス管、帯水層(地下水)、またそれらを俯瞰できるヘリコプターにオスプレイ、空撮・空中写真、

...と、その合間や各パートにおいて、必ずその舞台(点)と舞台(点)とを結びつけるナニカが映し出され、それらと併行して地割れ(地震の移動)を走らせることで、分断するモノでありながらそれ自体は線であるとし、繋がりを示すモノの象徴として家族の絆への昇華はもちろん、未だ見ぬ断層の存在をも暗示し、いつでもどこにでも誰にでも忍び寄り得る地震という恐怖、危機感を煽ってくれる。

 備えなければ...


「カリフォルニア・ダウン」(2015)...「カリフォルニア・デストラクション」(2015)...
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