このレビューはネタバレを含みます
まず、本作から参戦する新たな主要キャラ・武田こと小林旭の色気が尋常ではない。小林は本来歌謡界でのスターでもあったため、他の小汚い顔の連中(※「真に迫った名演」ということです)の中で良い意味で浮いている。今で言うと福山雅治がヤクザを演じているようなものか。
ただ、本作はシリーズ中最も悲壮感が強い。
それはやはり、渡瀬恒彦演じるチンピラ・猛とその母親とのエピソードの顛末によるもので、そこに深作が込めたテーマを端的に代弁するラストのナレーションが胸を抉る。
「戦いが始まるとき、まず失われるのは若者の命である。そして、その死はついに報われたためしが無い」