ノラネコの呑んで観るシネマ

革命の子どもたちのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

革命の子どもたち(2011年製作の映画)
4.2
1960年代末から70年代にかけてそれぞれドイツ赤軍と日本赤軍を率いたウルリケ・マインホフと重信房子。
ある人々には革命家で希望、ある人々にはテロリストで恐怖のアイコン。
そして娘を持つ母親。
数奇な運命を辿った二人の娘が語る母親像が実に興味深い。
共に過した時間の違いか、母に対する娘たちの想いにも微妙に温度差がある。
ある意味で母の信念を継承してる重信メイさんに比べて、マインホフの娘のベティーナさんは少し突き放したスタンス。
二人の娘が共にジャーナリストという道を歩んでいるのも不思議な縁だ。
母たちの過去は、やはり断罪されてしかるべきだと思うけど、心情的には全否定も出来ない。
映画も結論を出そうとはしてないし、今まで知られていなかった彼女らの人物像を提供し、考えてもらおうという姿勢。
そもそも線引き出来ない話だからこれで良いと思う。
しかしマインホフが頭痛持ちで、脳手術してから人格が変わって過激派になっていったというのには驚いたな。
事実は小説より奇なりと言うが、まるで手塚治虫の「MW」みたいじゃないか。