こゆ

星の子アルフェのこゆのレビュー・感想・評価

星の子アルフェ(2012年製作の映画)
4.6
2014/05/26
6万5000に一人の遺伝子をもつ父と母のDHCR7遺伝子の変異体を両方から遺伝。その確率は1億分の…という世界からアルフェが生まれる。そんなアルフェのドキュメンタリー映画。

障害がありつつも、映画監督の父は母の故郷で普通教育(幼稚園)を受けさせる。
スイスの大自然の中、周りの心配をよそに、無垢なまま、ありのまま、自然なアルフェの笑顔に心奪われる。
あぁ、教育ってこうあるべきだよなぁ…と思いました。

劇中で、お父さんが語るんだけど、
「お前の病気は異例ではない。
誰にも異常とは言わせるな。
奇妙で驚くべきことであるが異常と呼ぶのはふさわしくない。
こういう偶然が、僕らを形づくる世界の歴史には不可欠なんだ。
僕らが存在するのも偶然ゆえだ。」
と語るんです。
深い…深い…。

アルフェが、森の中のタンタンに、絵本のことを話し続けるシーンがあるんだけど、
自分が親だったら、アルフェは今何を考えていて何を感じているのか?心配でたまらなくなるだろうなぁ。
でも焦ってはいけない。その子自身のペースがある。
健常者であっても、障害を持っていても教育には忍耐と愛が必要。そしてどちらにしても絶対に誇れるものがある。それを見つけ出すのが家族や学校の役目。
そう気づかされた映画。
いやー、よかった。いい映画でした。
こゆ

こゆ