TAK44マグナム

11ミリオン・ジョブのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

11ミリオン・ジョブ(2013年製作の映画)
2.0
え?ほんとにそこに1100万ドルあんの??


リアム・ヘムズワース主演の実話を元にした犯罪映画。
共演にドウェイン・ジョンソン、エマ・ロバーツ等。
ジャケ絵ではエマ・ロバーツが目立っていますが、実際の出番は少ないです。別に主人公の彼女というわけでもなさそうだったし。
ただ、本作のエマ・ロバーツは可愛い!
因みにエマ・ロバーツのお父さんは「地獄の殺人救急車」のエリック・ロバーツで、叔母さんはジュリア・ロバーツ、元婚約者がX-MENのクイックシルバーと言えばこの人なエヴァン・ピーターズであります。

・・・と、まあ中々に豪華なキャストを並べておりますが、その中身は少々薄味というか何というか。
80年代に実際に起こった現金強奪事件の真相?を、「マフィアの犯行かと思ったら実はこんなにショッパイ話だったんだよ〜」といったテイストで描いています。

製作に、本作の主人公にあたるクリスさん本人が参加しているので、「俺はバカなことしたけれど根は真面目で家族思いの良いやつなんだよ〜」っていう感じでリアム・ヘムズワースに自分自身を演じさせているのが、失礼ながら何となくあざといような気もしちゃいました。
結果的に手にした1100万ドルが未だ見つかっていない以上、お前がギッて持ってるんだろうと死ぬまで言われ続けても仕方ない。
でも、本当のところはどうなんだろうか?
あんな大金、どこかに隠したのか?
もしかして、告白のつもりでこの映画作ったのかな?

それでもって内容はですね、貧乏暮らししているクリスは警察官になるのが夢だったんですけど、悪友のエディのせいでオジャンになっちゃうんです。
父親はギャングの店の便所掃除の仕事をクビにされるわ、仕方なく警備会社に入ったらいきなり強盗に襲われるわとロクな事がおきない日々に嫌気がさしていると、どうにも警備会社の警備がザルだということに気づきます。
なにしろ夜勤務だと自分ひとりしか会社に居ないから何やってもバレない・・・銀行へ預けるために保管してある超大金をちょろまかしてもバレやしないというテキトーさ!
それをよせばいいのに口の軽さなら世界一のエディに話しちゃう。
案の定、エディのおかげで泥沼に足を踏み入れる結果になってしまうんですね〜。
バカか!友達はちゃんと選ばないとダメじゃん!

しかし、本当にこのエディってやつがどうしようもないゴミクズ人間なんでして、観ていてスーパーいらつくキャラクターなんですよ。
こんなにろくでもないヤツも珍しいってもんです。
最後ぐらい格好つけて友達を守るのかと思いきや、最後までゴミクズのまんまで逆に清々しいぐらいのゴミクズっぷりでした。

・・・とは言うものの、このエディやクリスたちの境遇を考えると彼らの無謀な行動も理解できないわけでもないんですよね。
あまりにも深い格差を埋めるには、手っ取り早く大金を盗むぐらいしか手段がない状況・・・
底辺から抜け出すのって大変じゃないですか。
劇中、端のほうがボロボロのアメリカ国旗が映ったりするんですけれど、多種多様な人種が入り混じって底辺で喘いでいる現実がそこにはあるのでしょう。

実録モノだから致し方ないとはいえ、オチがあるようなないような、のぺっとした平板なラストは特に盛り上がることもなく終了。
この事件によほどの興味がない限り、「だからどうしたんだ」と、何となくしっくりこない締め方にテンションが下がることでしょう。
そもそも、この事件をまったく知らなかったのでノレないのも当然と言えば当然、テンションアゲアゲ↑↑になんてなるわけない。
それと、ドウェイン・ジョンソンが普通に刑事をやっているだけっていうのは、ちょっと勿体無いキャスティングだし、脳筋を前面にださないドウェイン・ジョンソンなんてロック様じゃないじゃんね!

もっとアメリカン・ニューシネマみたいに悲壮感や絶望感を押しだすか、いっそのこと反対に舵をきって洒落たムードのコメディ風味に仕立てても良かったのではないか?
作品がもつ熱量をあまり感じない出来栄えが残念でした。


NETFLIXにて